エンジンマネージメント・コンピュータセッティングを担当させていただいた小林キュウテン選手。
劇的な大逆転(メイクドラマ)で、見事5年連続となる年間チャンピオンを獲得!おめでとうございます!
今回は、この2009年度を振り返ってのコメントをいただきました。
コンピュータチューニング業の方は、理論上の推奨値ばかりを追い掛ける傾向が強く、ドライバーの意見を取り入れてくれない事が頻繁にあります。ドライバーの感覚よりセンサーを重要視し、会話はドライバーとでなくエンジンやロガーとばかり…。ジムカーナというレース自体を理解していない方に、どうしてセッティングが出来ると言うのでしょう? KengYangさんに依頼した時、まずジムカーナを理解しようと必死でやって下さいました。ビデオで研究してきたけど分からなくて…と、私から教えてくれと貪欲でした。それだけで終わらず、次は箱車の横に乗りたいとオーダーを出すのですよ! 頭で理解したら体でもレースを覚える。その準備が終わってから初めてドライバーにどうしたいのか?を聞いてくるのです。この姿勢が素晴らしいですよね! ドライバーの意見を聞かないコンピュータチューニング業の方とは天と地の違いです。 レースを理解し、ドライバーの性格や走り方を理解して、味付けしたエンジンは数字以上の戦闘力が沸き出ます!
初めて出会ったのはエンジンチューナからご紹介していただいた鈴鹿です。この日もいつものようにメカニックがずっとコンピューターチューニングしていましたが、アクセルONした瞬間の蹴りだし力がずっと改善できないままでいました。 走行終了ラスト10分前にKengYangさんに解析とチューニングを依頼。5分で一部だけマップを改良し、ラスト5分で2アタック!マシンは見違えるように変化し、まるで排気量が上がったような蹴りだしをするのです。 「5分だけでこれだけの違いを出すのか!」 出会いからセンセーショナルなイメージを植え付けられました♪
基本的にどのコンピューターチューニング業の方も理想的な燃焼を目指します。しかし、そこからが実は腕の見せつけどころです! レースが持つ特有の素材、ドライバーの好き嫌いを理解し、その人にBESTな状態を提供するのです。KengYangさんのレースを理解する貪欲さは前にも書いたとおりですが、特にバイクレースであればご自身もTOPレベルでレースをしていますからレースへの理解は凄く深いのでしょう! ドライバーと同じ目線に立ってチューニングするその姿は、最高の素材を使って最高の料理を提供する有名シェフの様です! 自分好みを自分以上に知っているのは何故?って思うほどに毎回感動があり、逆に自分の好みを教えて貰う時すらあります。 一度この味を食べたら止められないですよ!